仕事や家事、育児などで忙しくご飯を作る時間があまりとれない中でもしっかり栄養は摂りたいですよね。特にお子さんのいるご家庭なら、子供たちに栄養をしっかり摂らせたいと思う人も多いかと思います。
そんな時、おすすめなのが冷凍野菜なんです!
冷凍野菜にはギュッと栄養が詰まっていて、手軽に必要な栄養を摂ることができます!
とはいえ、冷凍野菜は生の野菜と比べて栄養価は少ないんじゃないの?、添加物や農薬などの安全性は大丈夫なの?と気になる方も多いのではないでしょうか?
今回の記事ではそういった疑問や冷凍野菜のメリット、デメリットなど、管理栄養士の目線で徹底解説していきます!
1.冷凍野菜って栄養あるの?
冷凍野菜にはしっかりと栄養が残っています!
冷凍技術の進歩により収穫後、洗浄、加熱などの工程を経て急速冷凍することによって、失う栄養素を最小限に抑えています。
もちろん、加熱時にビタミンCなどの一部の栄養素は減ってしまいますが、ほとんどの栄養素は野菜の中に残っています。
また、冷凍野菜は栄養価の高い旬の時期に収穫したものを使っているため、旬ではない時期の野菜よりも栄養価が高いこともあるんです。
また、自宅の冷凍庫で保管している間もほとんど栄養価が変わらないため、いつでも手軽に栄養たっぷり含まれた野菜を摂ることができます!
2.生野菜と冷凍野菜の比較
生野菜と冷凍野菜の比較をしてみました。生の野菜の下処理などの手間を考えると冷凍野菜の優秀さが分かると思います。
2-1.ほうれん草
家で生のほうれん草を食べようと思ったら、よく洗ってから下茹でしなければならないため、かなり面倒ですよね。冷凍ほうれん草であれば、冷凍庫から出してすぐに使えてとても便利です。
栄養価は冷凍食品に加工する際に減ってはいるものの、しっかりと残っています。特にビタミンCに関しては夏に収穫されたものよりも冷凍の方が多く含まれていることが分かります。
| ビタミンA | ビタミンC | カリウム | 食物繊維 | |
| 夏採りほうれん草(ゆで) | 5400㎍ | 10㎎ | 490㎎ | 3.3g |
| 冬採りほうれん草(ゆで) | 5400㎍ | 30㎎ | 490㎎ | 3.3g |
| 冷凍ほうれん草 | 4700㎍ | 19㎎ | 210㎎ | 3.6g |
2-2.かぼちゃ
かぼちゃは固い皮を切って種を取り除いて下処理するのが結構大変ですよね。
冷凍かぼちゃであれば、そんな下処理をしなくてもいいためとても楽です。
栄養価も冷凍かぼちゃの方が全体的に高く、手軽さと栄養の面からみてもとてもおすすめです!
| ビタミンA | ビタミンC | カリウム | 食物繊維 | |
| 西洋かぼちゃ(ゆで) | 2500㎍ | 32 | 340㎎ | 4.1g |
| 冷凍西洋かぼちゃ | 3800㎍ | 34 | 430㎎ | 4.2g |
3.冷凍野菜のメリット
冷凍野菜にはたくさんのメリットがあります。
今回はたくさんのメリットの中でも注目してほしいメリット5選をご紹介します。
3-1.いつでも栄養価の高い野菜を摂ることができる
1章でもお伝えした通り冷凍野菜は急速冷凍によって栄養が保たれています。
冷凍庫にストックしておけば、いつでも栄養価の高い野菜を摂ることができます。
3-2.下ごしらえいらずで時短になる
生の野菜であれば洗って、皮をむいたり、下茹でしたり様々な工程が必要になりますよね。
でも、冷凍野菜であれば必要な分を冷凍庫から出してすぐに使うことができます。
オムレツやみそ汁などのスープに簡単に入れるとができ、手軽に栄養を摂ることができます。
3-3.食品ロスを減らすことができる。
使おうと思っていた野菜が野菜室の奥で腐ってしまっていた。なんて経験はありませんか?
冷凍野菜であれば長期保存が可能で、野菜を腐らしてしまう心配もありません。
食品ロスを減らすことで家計の無駄も省くことができます。
実際に私も冷凍野菜の使う頻度を増やしたことで、野菜が腐って食べれなくなってしまったということがほとんどなくなりました。無駄が無くなったことで家計の負担も減ったように思います。
3-4.価格が安定している
天候や季節によって価格が変動する生野菜にくらべて冷凍野菜は価格が安定しています。
特にここ最近は、スーパーへ行くと野菜の価格がかなり高騰しているように感じます。
そんなとき冷凍野菜は家計の強い味方になってくれます。
3-5.加熱時間が少なく済む
かぼちゃや人参など加熱するのに時間がかかる野菜ってありますよね。
私は加熱している間はコンロや電子レンジが使えなくて不便に思うことが多々ありました。
でも、冷凍野菜は7割~8割程度加熱された状態になっています。
そのため、生野菜よりも2割~3割程度の加熱時間で食べることができてとても時短になりコンロや電子レンジが占領されて不便に思うことが少なくなりました。
4.冷凍野菜のデメリット
冷凍野菜のメリットだけでなくデメリットをしっかり理解したうえで活用するとよりうまく使いこなすことができます。
4-1.野菜の種類が限られる
トマトやレタスなど水分量の多い野菜は食感が大きく変わってしまうため冷凍には向いていません。
そのため、冷凍できる野菜の種類が限られてしまいます。
トマトはミニトマトであれば洗うだけですし、トマト缶などはすぐに調理ができて便利です。
レタスはカット野菜を活用するなど冷凍野菜以外を活用するのもおすすめです。
4-2.栄養素の一部は減ってしまう
冷凍野菜は急速冷凍する前に下茹でするため、ビタミンCなど水に溶けやすい栄養素などは減ってしまいます。
そのため、減ってしまった栄養素を補う必要があります。
そんな時、おすすめなのが食材が旬のフルーツです!
いちごやみかん、キウイ、柿などフルーツにはカリウムやビタミンCなど冷凍野菜として加工する際に失われてしまった栄養素が豊富に含まれています。
冷凍野菜を活用する際はフルーツも一緒に食べることで栄養のバランスがとてもよくなります。
4-3.食感が変わってしまう
一度、加熱してしまうため、キャベツや玉ねぎなどはあの生野菜のようなシャキッとした食感は失われてしまいます。
そのため、サラダに使うよりかは、スープや炒め物など加熱して使うことがおすすめです。
5.冷凍野菜の添加物や農薬の影響は
どんなに便利であっても安全性が担保されていなければ、使いたくはないですよね。
冷凍野菜の安全性について解説していきます。
5-1.添加物の影響について
冷凍野菜は添加物を使用する必要がありません。
冷凍野菜はまずブランチングといって短時間加熱することによって変色を防いでいます。
また、急速冷凍することによっておいしさや鮮度を保ち、細菌の繁殖なども防いでいます。
そのため、着色料や保存料を使わずに鮮度を保ったまま長期保存が可能なんです。
5-2.農薬の影響について
海外の食品であっても日本の食品衛生法で定められた残留農薬の基準が適応されます。
国内で流通している食品は国内産、輸入品であっても安全性は同じです。
輸出される冷凍食品を含む食品は、土づくり、農場、運搬、製造、出荷まで工程ごとに厳しく管理されています。
それでも心配な方は国内産の野菜を使用した冷凍野菜を購入するのがおすすめです。
6.冷凍野菜を摂ることで得られる効果3選
手軽に野菜が摂れるというメリットを活かすことで得られる健康効果があります。
今回は特に注目してほしい効果を3つご紹介します。
6-1.美肌効果
冷凍野菜でも美肌効果を得ることができます。
冷凍野菜に含まれるビタミンA(β-カロテン)、ビタミンC、ビタミンEには肌を健康に保ち、肌荒れや老化を防ぐ効果があります。
おすすめ冷凍野菜:かぼちゃ、ブロッコリー
6-2.便秘改善
冷凍野菜には便秘を改善してくれる食物繊維がたっぷり含まれます。
生の野菜と比べても食物繊維はほとんど変わりがないため冷凍野菜でも十分効果が期待できます。
おすすめ冷凍野菜:かぼちゃ、おくら
6-3.ガン予防
冷凍野菜にはガンを予防してくれる抗酸化作用の強い成分が含まれています。
緑黄色野菜に多く含まれているビタミンA(β-カロテン)には発ガン物質が体内で作られるのを阻止する働きがあります。
下処理が面倒な野菜でも冷凍野菜であれば手軽に摂れるのでお勧めです。
7.おすすめの冷凍野菜5選
おすすめの冷凍野菜とおすすめの調理法をお伝えしていきます。
7-1.ほうれん草
ビタミンA(β-カロテン)、鉄、マグネシウムなどの栄養をたっぷり含んだ冷凍ほうれん草は
みそ汁やオムレツなどにささっと加えるだけで栄養価がアップします。
ビタミンAは油と一緒に摂ると吸収率がアップするため、油で炒める調理法がおすすめです!
私はレンジで温めた冷凍ほうれん草を市販の即席みそ汁にプラスして栄養価を上げています。
手軽に栄養価を上げれるのでとても重宝しています。
7-2.オクラスライス
オクラスライスは商品によって加熱せずにそのまま使えるものもあります。
冷ややっこの上にのせたり納豆に混ぜたりと使い勝手がとてもいいです。
オクラ特有のネバネバ成分にはたんぱく質の消化吸収を助けてくれる役割があるため、豚しゃぶに添えるのもおすすめです!
また、みそ汁の具材として入れるのもおすすめです。
みそ汁に入れることでとろみがつき、寒い時期でも冷めにくくおいしくいただけます。
是非、試ししてみてください!
7-3.かぼちゃ
かぼちゃはビタミンA(β-カロテン)ビタミンE、ビタミンCと栄養価の高い野菜の一つです。
免疫力アップや美肌づくりに効果があります。
おすすめの食べ合わせはナッツを入れてサラダにすること。
ナッツに含まれる油分がかぼちゃに含まれる栄養の吸収を上げてくれます。
レンジ加熱した冷凍かぼちゃにはちみつをかけるのも美容に効果的なおやつとしておすすめです!
7-4.野菜ミックス
各メーカーによって、さまざまな野菜がミックスされた状態で売られています。
スープに入れたり、卵と一緒に炒めたり、一度にいろんな野菜が摂れるためとても使い勝手がいいです。
特におすすめなのはひき肉とカレー粉と炒め煮ドライカレーにすることです。
たくさん作っておけば常備菜として置いておくことができ、ご飯やパンにのせるだけで栄養満点の1品にすることができます!
我が家の冷蔵庫には高頻度で冷凍野菜ミックスを使ったドライカレーが常備されています。
7-5.冷凍ブロッコリー
ブロッコリーには抗酸化作用の強い「スルフォラファン」という成分が含まれています。
そのため、美肌づくりや免疫力アップに効果があります。
ビタミンA(βーカロテン)も多く含まれるため、胡麻和えにすることでゴマの油分により吸収率が高くなります。
電子レンジで加熱後鰹節とごま油で和えるのもおすすめです!
お弁当のおかずとしても重宝しそうですね。
8.冷凍野菜の栄養を逃がさないための調理法
冷凍野菜の栄養素を逃したくなければ冷凍のまま調理することがポイントです。
炒めるときも凍ったままフライパンに入れる、スープなど煮込むときは凍ったまま鍋に入れましょう。
下茹でをしてしまうとゆで汁に栄養素が溶け出してしまい栄養価が減ってしまいます。
もし、調理前に加熱しておきたい場合は電子レンジで加熱するのがおすすめです!
9.まとめ
いかがでしたでしょうか?
冷凍野菜は下処理などの面倒な手間もなく手軽に必要な栄養が摂れる、まさに忙しい現代人にとって救世主となる食品です。うまく使いこなすことで健康にも美容にも役に立ちます。
そのうえ、価格も安定しているのも嬉しいポイントです!ぜひ、日々の食事に取り入れてみてくださいね!
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